このコラムは「東洋医学と女性の体」シリーズとして、体のしくみをやさしくお伝えしています。
前回は、五臓が互いに支え合う「相生(そうせい)」についてお話ししました。
今回はもう一つの関係、
🌿 相剋(そうこく)
について見ていきましょう。
「剋」という字を見ると、
- 攻撃する
- 抑えつける
- 仲が悪い
という意味があります。
しかし五臓での相剋は、少し違ったニュアンスになります。
相剋とは、
★ 行き過ぎを防ぐための調整役(制御・抑制)
と捉えていただくと分かりやすいでしょう。
🌿 バランスを保つために異なる作用を持つ
車を想像してみてください。
アクセルだけでは危険です。
安全に走るためには、
🚗 アクセル
🚗 ブレーキ
の両方が必要です。
体も同じです。
前回お話しした相生は、
助け合う仕組み
でした。
一方、相剋は
行き過ぎを防ぐ仕組み
です。
この二つがあることで、私たちの体はバランスを保っています。
🌿 例えば?
もし体の中で、ある臓だけが強く働き続けたらどうなるでしょうか。
例えば、
- イライラが止まらない
- 食欲が暴走する
- 気持ちが高ぶって眠れない
などの状態です。
体はそうならないように、互いに調整し合っています。
これが相剋の働きです。
ただ、この相剋の調整役が行き過ぎてしまうと、体への負担となることがあります。
🌿 相剋の作用が強くなりすぎると
仕事や家事、人間関係でストレスや緊張が続くと、
- 胃が痛い
- 食欲がない
- 下痢をする
という経験はありませんか?
東洋医学では、これは肝の相剋の働きが強くなりすぎて、
胃腸に負担をかけている状態と考えます。
本来なら脾の調整役になるはずの肝の働きが強くなりすぎて、
肝(気の巡り)が脾(胃腸)の働きを抑え込んでしまうのです。
これは相剋、バランスが崩れた状態の一例です。
相生や相剋の関係は、一般の方にはなかな理解しにくいですよね?
実際、東洋医学を学んでいる私自身も、学び始めた頃はとても難しく感じました。
ですから、まずは
★ 五臓は支え合いながら働いている
★行き過ぎを防ぐために調整し合っている
ということだけわかっていただけたら十分です。
🌿 五臓の関係性のまとめ
私たちは普段、体が正常に働いていることを意識しません。
でも実際には、五臓が
🌿 支え合い
ながら、
🌿 抑制し合い
ながら、
24時間絶え間なく働いてくれています。
相生と相剋とは、五臓のバランスを保つ仕組みなのです。
🌿 東洋医学が大切にすること
東洋医学では、
「どこが悪いか」だけではなく、
「なぜバランスが崩れたのか(治癒力が働かないのか)」
ということを見ていきます。
症状だけを見るのではなく、体全体のつながりを見る。
これが東洋医学の大きな特徴です。
🌿 次回予告
ここまでで、
- 五臓
- 五行
- 相生
- 相剋
について見てきました。
次回は東洋医学の大切な考え方、
☯ 陰陽(いんよう)
についてお話しします。
東洋医学が「バランスの医学」とも呼ばれる理由が、さらに見えてくると思います。


