ご来院時のお悩み・・・・右顔面神経麻痺(ベル麻痺)
- 右まぶたが閉じにくい、右口元が動かしにくいなど表情の偏り
- 顔のつっぱり感
- 聴覚過敏
- 耳の痛み
病院でベル麻痺と診断され、投薬をしながら半年ほどかかるというので
発症から約2週間後に当院を受診。病院と並行しながら施術を開始しました。
発症までの経過
詳しくお話を伺うと、
- お子さん4人が続けてインフルエンザにかかり看病による疲労
- 年末の大掃除で洗車や窓ふきなど屋外での冷たい水を使った掃除
- 職場での精神的ストレスと肩背中の緊張
などが重なっていました。
当院では病名だけでなく、
「なぜ今、この方に顔面神経麻痺が起こったのか」
を重視します。
脈やお腹、背中、手足の反応を確認した結果、
- 疲労による元気の不足
- 足の冷え
- 顔や手の熱感
- ストレスによる気の停滞
- 全身の緊張
が認められました。
東洋医学的には、
「疲労により体の防御力が低下したところへ寒さの影響を受け、気血の巡りが滞った状態」
と考えました。
ストレスも影響していましたが、今回の主な原因は
疲労と寒冷による外部刺激によって発症
と判断。
治療方針は、、、
当院では患部(症状がでている箇所)には鍼をせず、
体全体の状態を整え、本来の回復力が働きやすい環境を作ることを重視しています。
顔面神経麻痺で鍼治療というと顔にたくさん鍼をするイメージがありますが、
主に後渓(こうけい)という手のツボを使用しました。
毎回、その方の反応のあるツボや舌やお腹の変化を確認しながら、
必要最小限の刺激、
全身にたった一つのツボのみで治療を進めていきました。
治療経過は、、、、
初回
全身の緊張が強く、
- 足の冷え
- 顔の熱感
- 気の停滞
が目立っていました。
後渓を取穴し鍼をし、全身の巡りを整えたところ、
顔の赤さが軽減し、逆に足が温かくなりました。
2~3回目
顔の動きそのものには大きな変化はありませんでしたが、
- 足の冷え
- 顔の熱感
- 耳の違和感
などが徐々に改善。
体の回復力が高まり始めていることが確認できました。
4~5回目
寒波や冷たい風が吹く日が続きましたが、大きく悪化することはありませんでした。
患者さん自身も
「口元が動いてきた」
「ほうれい線が出てきた」
と変化を実感。
また、長く悩んでいた職場環境について整理がつき、退職を決断されたことで精神的にも大きく楽になられました。
ここまで1週間2回の施術の頻度で初回より約2週間。
6~8回目
主訴改善傾向と、体のバランスも整ってきたため、約1週間に1回施術の頻度へ移行
院時の表情が明るくなり、笑顔も自然になってきました。
8回目のまでの取穴は後渓の左右の反応をみながら、どちらかを1つのみ取穴。
最終来院時(10回目)
ここより治療の中心は「回復させる」から
「回復した状態を定着させる」段階へ移行。
9,10回目は足にある「照海」というツボを用いて全身のバランスを整えました。
患者さんご本人から
「顔の左右差が気にならなくなりました」
とのお話がありました。
実際に表情の動きも自然となり、笑顔も左右差を感じない状態となりました。
その後はお子様のご予定で予約変更となり、それ以降のご来院はありませんでした。
最終来院時には日常生活に支障のない状態まで回復されていました。
この症例から分かること
今回の症例では、顔面神経麻痺そのものだけでなく、
- 疲労
- 冷え
- 寒さによる負担
- 精神的ストレス
など、発症の背景にある体への影響を理解し、
全体の状態、ご自身で回復できるように整えることを重視しました。
また患者さんご自身も、
- 入浴
- 休養
- 生活習慣の見直し
- ストレスが多い職場を退職
など積極的に取り組まれました。
その結果、
病院では回復まで半年ほどかかること可能性があると説明を受けていましたが、
発症約2週間後から鍼灸治療を開始し、約1ヶ月半・10回の施術で、
患者さんご本人が左右差を気にならなくなるまで改善されました。
当院の考え方
当院では、
「どこが悪いか」だけではなく、
「なぜその症状が起こったのか」
を大切にしています。
脈やお腹、背中、手足など全身の状態を確認しながら、
必要最小限の刺激で体本来の回復力を引き出す治療を心掛けています。
※このようなことから初診は1日1一人のみの受付、所要時間2時間をいただいております。
顔面神経麻痺をはじめ、慢性的な不調や原因のはっきりしない症状でお悩みの方も
どうぞお気軽にご相談ください。
症例データ
症状
顔面神経麻痺(ベル麻痺)
初診時期
発症約2週間後
施術回数
約10回
治療期間
約1か月半
主な使用経穴
後渓・照海
経過
患者さんご本人が「顔の左右差が気にならなくなった」と感じられるまで改善。
※回復には個人差があります。




